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シロアリ実験施設の視察レポート!

Date:2025年5月28日

今回のブログでは、少し技術的な、ちょっぴり難しいお話を書きたいと思います。

 

当社は、建物の基礎の外周部を断熱材ですっぽりと覆う「基礎断熱」を採用しています(詳しくはこちらのページ「基礎断熱と床下エアコン」をご覧ください)。基礎断熱は、一般的な床断熱と違って、床下の大きな空間をまるごと断熱してしまうので、底冷えのない暖かい家になるという長所があるのですが、ひとつ気を付けないといけないことがあり、それがシロアリです。

 

基礎に貼った断熱材の中を通って、シロアリが家の中に侵入してくる可能性があるので、それを防ぐ手立てを施さないといけないのです。その手立てにはいくつかの種類があり、あらかじめ断熱材に防蟻剤を混ぜ込んでおく方法や、断熱材の上にシロアリの侵入を物理的に防ぐステンレスの金網(ターミメッシュといいます)を隙間なく貼る方法があります。

 

当社では、後者のステンレスの金網(ターミメッシュ)を貼る方法を採用しているのですが、そのターミメッシュのメーカーの株式会社カネカさんより、シロアリ実験施設見学のお誘いをいただいたので、昨日今日と鹿児島まで行って見てきたのです。以下、そのシロアリ実験施設の視察レポートをお送りしたいと思います。

 

 

こちらがシロアリ実験施設の入口です。シロアリが好む、温暖多雨な鹿児島県の山中にあります。

 

この実験は、京都大学の研究室の協力のもとで行われています。

 

25年前に作られた実験用の家の模型です。ターミメッシュありとターミメッシュなしの模型があります。写真の一番右の模型は、今回の調査のために家の部分を取り外したものです。

 

こちらがターミメッシュなしの基礎です。基礎の上に木の破片が散らばっていて、なにやら嫌な予感がします。家の中はどうなっているのかというと・・・

 

シロアリ被害で土台部分がボロボロです。

 

黄色矢印の先をご覧ください。土中の断熱材に穴がいっぱい開いており、ここからシロアリが侵入しています。

 

さらに屋根を外して、柱を上から見てみると、柱の上までシロアリ被害でボロボロになっていました。

 

続いて下の写真が、ターミメッシュありの基礎です。とてもきれいな状態を保っています。

 

こちらがターミメッシュありの土台。シロアリの被害はまったくありません。土台が黒ずんでいるのは、25年の間に屋根が壊れ、雨漏りをしたことによりカビが生えてしまったためです。このカビがなければ、もっときれいな土台を保てたと思うと残念ですが、ともかくシロアリの被害はまったくありませんでした。

 

屋根を外して柱を上から見てみました。雨漏りが原因のカビはありますが、シロアリ被害はありません。

 

水道管のシロアリ実験も行われていました。塩ビ管、ポリプロピレン管、銅管の中に、シロアリの餌となる木材を詰めて、パイプの両端をターミメッシュで塞いだ上で土の中に埋め、シロアリの侵入があるかどうかをチェックしています。

 

以上、シロアリ実験施設からのレポートでした。ターミメッシュがシロアリを防ぐのにとても有効だということがあらためてわかる有意義なイベントでした。

 

(続く)

 

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